ディープな裏話
 一度の戦闘で、より多くの経験値を短い時間で楽に手にしたい。宿屋にもどらずともマジックパワーを回復させたい。より少ないマジックパワーで体力を回復したい。敵から受けるダメージを最小限に抑えたい。ここではそうしたわがままな諸兄の要望に完全にお応えする。まぁ、眉に唾する前にまず読んでみていただきたい。

5.倒せる敵・倒せない敵

 このゲームに出てくる全てのモンスターは、それぞれの強さというものを持ち、それがパラメータという形で数値化されている。137種類にも及ぶそれらモンスターにも、当然その強さには様々なものがあるのだが、それらは基本的に「倒すことができる」はずだ。敵が強くても、こちらがレベルを上げて戦いを挑めば、いつか必ず勝利できる日が来るはず、である。
 しかし、このゲームには倒し難い敵、厳密に言えばそのシチュエーションというものが存在する。いくらこちらからダメージを与えても、その敵モンスターのHPが尽きない、というケースがあるのだ。実際に試してみれば分かることだが、「おい、もうそろそろ倒れてくれてもいいんじゃないの?」というダメージを越えてもそのようなケースでは、気が付けば累積ダメージが1000を越えているというようなことも・・・。
 これには、上の「ゾーマ・・・その真の姿」という項目で説明した、「1ターンごとに一定ポイントのHPを回復するモンスターがいる」という理屈が絡んできていると思われる。ここでは、そうなりやすい敵を挙げてみよう。

・カンダダ2
 バハラタ東の洞窟にいるこのカンダタ2、こちらが複数人の時はなかなか手を焼かされるものの、ちゃんと倒すことができる。彼が持っている、「1ターンごとのHP回復」の条件を、こちらが複数人の時にはクリアできているからである(集中攻撃の効果によって、ダメージはしっかりと蓄積されていく)。しかし、こちらが1人だけならば、いくらダメージを積み重ねてみても倒れてくれない、ように見える。このカンダタ2を相手にしている時、普通はレベル20かそれより少し前くらいとなっていると思うが、こちらが1人の時では、そのようなレベルでは話にすらなっていない。1人で戦い続けること自体が困難だ。この頃の一人旅といえば、当然勇者がその対象となり、この段階で彼が装備できる最強の武器は「鉄の斧」・・・。攻撃力が40のこの武器だけが頼りなら、まあ無理もない話だ。
 ならばその勇者のレベルを、20より高くしていってみよう。どこまでレベルを上げれば、彼を打倒することができるのだろうか。ということで、とりあえずレベルを30近くに上げてみても、まだ答えは見えてこない。ここら辺でレベルアップ自体が困難になってくるので、答えを探し出すこと自体に意味があるのか、あやしいようなものだが・・・。
 さらにレベルを上げていってみると、なんとなくであるが彼の1ターンごとのHP回復量が、45から50あたりにあるのではないかと思えた。ならば、これを最低ラインである「45」と考えると、ゾーマを1人で相手にする場合に私が設定した攻撃ターン数、「50」で勝負を付けるには、・・・400÷50+45=53となり、こちらの攻撃ターンで平均53のダメージは与えていかねばならなくなるということとなる。この1つの攻撃ターンで「53」というダメージの条件でも・・・鉄の斧しかないのなら、少なくとも30前半のレベルは必要になってくる。
 しかもこれは「攻撃ターン数」なので、当然こちらのHP回復ターンも必要となる。このターンでもしっかりカンダタは体力を一定量回復しているので、打倒はさらに困難となる。そこまでレベルを上げた状態で延々と戦い続ければ、ヤツはたったひとりでも撃破できることになる(理論上)。・・・それだけの強さにするための労力(レベルアップ時間)が、カンダタを1人で倒したという「あなたの精神的満足」に見合うものならば、是非この荒行に挑戦してみよう。 
 それにしても、まだ船さえ手に入れていない段階でこんなカベにぶち当たってしまうとは・・・。一人旅、恐るべし。

・やまたの大蛇
 ジパングの洞窟の一番奥、そしてジパングの村に逃げ帰ってきているこの方も、なかなかの強敵である。ここに登場してくるということは、こいつも1ターンごとにHPを回復するということ、である。その数値はどうやら100ほどもあるようなので、こいつと1対1で渡り合うとなると・・・相当手こずることになりそうだ。ヤツには2回攻撃などあるし。
 ヤツを1人だけで倒すために・・・まず当然だが、1ターンで100を越えるダメージ力が必要となる。勇者がこの相手をするのが打倒なところだが、その時点で彼が手にすることのできる最強の武器は「稲妻の剣」ということになるので、これを持った上でやまたの大蛇へ100以上のダメージ力となると・・・。ネクロゴンドの洞窟を突破できるほどのレベル・・・いや、それ以上にはなるだろうか。実HPが300と、あまり高くないため、この攻撃力の要件さえ満たしてしまえば道は開けてくるはずだ。
 裏技を駆使して、勇者以外の「バイキルトを使うことのできる、高い攻撃力のキャラ」をヤツにぶつけることができたなら・・・何の苦労もなく倒せるかもしれない。当然、回復魔法は必要になってくるが。

・ボストロール
 サマンオサ王を幽閉して自らが王になりすまし(変身し)、好き勝手に振る舞っているこいつもかなり手強い。2回攻撃はないものの、単純な打撃攻撃の威力が高く、しかも時々痛恨の一撃を混ぜてくる。1対1で戦うとなると、こういった力任せなヤツが案外イヤらしいものだ。
 さて、こいつも1ターンごとにHPを回復するのだが、これがやまたの大蛇と同じ100あたりとなっている。1人でこいつを倒すことのできるステータス要件を考えてみると・・・やまたの大蛇のそれとほぼ同じであるということになるだろう。ただボストロールには痛恨の一撃があるので、残りHPには余裕を持っておきたいといったところか。そのことでこちらのキャラの「最大HP要件」、「回復魔法(ベホマ)を使うことのできる回数要件」が厳しくなってくるだろう。

・バラモス
バラモスさん  上の世界最後の敵、このバラモスも、やはりこちらが複数人いないと倒れてはくれない(ように見える)。もっとも、上の世界から抜け出そうとする瀬戸際の戦いを、1人だけで行おうとする奇特な人間はそういないとは思われるが。この段階では、まだはぐれメタルを大量に倒す機会はなく、レベルを上げる効率というのも悪いだろう。よってレベルを上げまくって、1人だけで戦いに挑もうとするチャレンジャーも少ないだろうということなのだが・・・。
 結論から言ってしまえば、彼もほぼゾーマと同じだけ1ターンごとにHPを回復するようである。ということになると、これはゾーマの場合より話は厄介だ。すぐ上に書いているように、上の世界の方が経験値水準が低く、レベルアップスピードも遅くなってしまう。となれば、普通にレベルを上げて戦う方法では、こちらが3人で戦うことすら厳しくなってしまうだろう。まあとりあえず理論的な話、1人だけで彼を打倒できれば、こちらが2人でも3人でも彼を倒すことができる、はずなので、1人だけで彼を倒すことを考えてみよう。
 幸い、バラモスにはゾーマほどの守備力はなく、実HPもゾーマより少ない。しかし、ここではあくまでもレベル99(レベル上では最高)の力を持ったキャラで考えてみる。
  必要ターン数・・・900÷(130−100)=30   実ダメージ・・・130×30=3900
  ※勇者ひとりで1ターン当たり130のダメージを与えることができると仮定
 これでも・・・かなりの苦戦を強いられそうだ。しかもこれは攻撃ターンだけであり、こちらのHPを回復するターンでも、バラモスはHPを100ほど回復しているので、必要ターン数、実ダメージ数はさらに高くなることが想定される。あなたの勇者のMPが尽きるのが先か、バラモスの実HPが尽きるのが先か・・・これも確実に「消耗戦」となることだろう。
 もっとも、1人でゾーマを倒すことのできる能力を持っているキャラならば・・・。・・・いや、順番が逆か。

・ゾーマ
 彼は前の項目で説明したとおりだ。挑戦のし甲斐はあるのだが・・・。その攻略難度は最悪最凶だ。

・キングヒドラ??
 ここでは、我々パーティが普通に相手にしているものではなく、オルテガが相手にしているキングヒドラのことから考えてみよう。原理的に言ってしまえば、ここでオルテガは勝ってしまってはいけない。ならば、その相手となるキングヒドラの最大HPは・・・。ただ単に、途方もなく高いところにHPが設定してあるだけかもしれないが。
 もしその場でオルテガがキングヒドラを倒してしまったら・・・やっぱり、そのままゾーマの間に突入していくのだろうか。そして彼にバラモスブロス、バラモスゾンビを打ち破る力があるのだろうか。さらにゾーマは・・・。個人的には、そのままこちらのパーティに加わってくれるのが一番良いのだが。戦力になるかどうかは分からないが、それもひとつの夢、だろう。
 なおその後で我々が相手にすることになる、ゾーマの間に登場してくるヤツは、1ターンごとにHPを回復するようである。大体これが100くらいに設定されているようなので、少人数で戦うときにはある程度の覚悟がいることになる。バラモスやゾーマほどではないにしても、ヤツもかなりの攻撃能力を持っているので、こちらもかなりの強さが必要となるのは言うまでもない。もしこちらが1人だけなら・・・思わぬ苦戦を強いられることになるだろう。 大ダメージを効率的に与えていきたい。

・バラモスブロス
 守備力が高く、イオナズンや吹雪など、全体攻撃が得意なこいつも、その守備力さえ下げてしまえば・・・。
 そして、とりあえずヤツも1ターンごとにHPを回復する。とは言っても、ヤツの場合のこれは50くらいなので、あまり恐れることはない。こちらが1人だけでも、守備力さえ下げてしまえばスムーズに倒すことができるだろう。

・バラモスゾンビ
 登場順番が遅いわりには、こいつは他の中ボスに比べると倒しやすいモンスターと言えるのではなかろうか。ただ、その攻撃力が異様に高いだけの話であり、全員で集中攻撃を掛ければ、何とかなることが多い。
 そしてやはりこいつもゾーマなどと同じように、1ターンごとにHPを回復する。もっとも、ヤツの場合はこれが50ほどであり、こちらからヤツに与えるダメージもこれを遙かに上回る数値になることが多いので、あまり気にしなくてもいいだろう。こちらが1人の時でも、油断さえしなければ打倒できるはずだ。
 ただ、ヤツに命からがらの状態に追い込まれてしまったようなら・・・その後のゾーマ戦は勝負にすらならないだろう。そこからすぐに引き返すことをおすすめする。

・はぐれメタル
 これは倒せます。絶対に倒せます・・・が、ただ単に倒しにくいだけの話。全員での集中打撃攻撃、会心の一撃を待つ、毒針攻撃、隼の剣、ドラゴラム、パルプンテ、メダパニ・・・。これらを駆使して、何とか倒していきたい。なお、こいつを2匹以上倒す意味はない。こいつを2匹倒せば、このゲームの一戦闘における獲得経験値の上限、65536(パーティが4人ならこれを4で割って16384となる)に達してしまうからである。


6.隼の剣と最強の武器

 装備しても攻撃力はわずか5しかアップしないが、2回攻撃ができるようになるという代物、それが隼の剣である。はたしてこの剣、本当に有効性の高いものなのだろうか。
 ちょっとここで仮にこの隼の剣と、例として武器の中では強力なものの部類に入る稲妻の剣(攻撃力・85)とを装備した場合を比べてみよう。これを装備する者の力が150だと仮定すると、攻撃力はそれぞれ、235、155となる。確かに一回だけの攻撃だと稲妻の剣の攻撃の方が大きなダメージを与えそうだが、隼の剣もこの155の攻撃が2回分となると、稲妻の剣に引けを取らない、相当なダメージとなるだろう。実際には敵の守備力でいくらか状況が変わってくるが、基本的にはこの考え方が通用する。
 しかし、これは隼の剣を装備する者に、ある程度の「力」があるという前提が必要となる。例えばもし、これを装備する者の力が10だったらどうなるだろうか。この場合では稲妻の剣、隼の剣での攻撃力はそれぞれ、95、15となる。95の攻撃力なら中間レベルのモンスターが相手の場合、40ポイントほどのダメージを与えることができるが、攻撃力が15では、とてもではないが敵にまともなダメージを与えることはできないだろう。それが2回攻撃であっても、焼け石に水だ。
 ごく単純に考えてみる。この隼の剣は、装備する者の力がある程度強いということが前提となるとは既に言ったが、これは当然、強ければ強いほど良いということでもある。ならば、「隼の剣が有効となり始める装備者の力」とは一体どのくらいになるのか、というのを示したのが、次の不等式である。

(隼の剣に関する理論不等式)
 (現装備武器攻撃力+力)<(5+力)×2

 君の持っている武器の攻撃力をこの式に当てはめて、この式を満たす力の値を求めてみよう。その分岐点以上、つまり隼の剣を有効にするだけの力が現在あるなら、迷わずこの隼の剣を装備するといい。
 ただし、どんな攻撃力(力)のキャラでも、この隼の剣が有効となる場合があるのを忘れてはならない。それがメタルスライム・はぐれメタルを相手にする時だ。奴らは、こちらがどんな(このゲームで理論上持っていくことのできる最高の)攻撃力で叩いても、基本的には1より大きいダメージを与えることはできない。つまり、攻撃力が300だろうと10だろうと、与えることのできるダメージは同じ「1」なのである(会心の一撃は別)。ならば、攻撃力が低くなってしまう隼の剣でも、このケースではそのデメリットが消えて、2回の攻撃ができるというメリットだけが残ることになる。さらに言えばこの2回攻撃ということによって、メタルスライム・はぐれメタル戦ではノドから手が出るほど欲しい、会心の一撃が出てくる確率もグッと上がるということである。道具の持ち数に余裕があるなら、隼の剣を持っておいて損はない、ということになるのである。ヤツらに遭遇したら、すぐさま隼の剣に持ち替えよう。
 隼の剣を装備できる職業といえば、勇者、賢者、商人ということになる。この職業で装備できる最強の武器といえばそれぞれ王者の剣、ゾンビキラー、ゾンビキラーとなる。ならば、それぞれの職業のキャラで、上の不等式にこの武器を装備した状態で計算してみると、「どれだけの力があれば、隼の剣が最強の武器になるか」ということを導くことができるようになる。  すぐに答えを出してしまおう。それぞれの力は・・・勇者(対王者の剣)は、110。賢者、商人(対ゾンビキラー)では55となる。つまり、これ以上の力があるならば、隼の剣がそれぞれの職業のキャラにとって、最強の武器ということになるのだ。よくよく考えてみると、これはそんなに高い数値でもない。ゾーマを攻略するようなレベルになっていれば、案外これくらいの数値にはなっているのではないだろうか。また、隼の剣を装備している者にバイキルトをかけてやれば、その2回攻撃という利点がさらに生かされることになる。
 もっともこれは単純に攻撃力だけを比較した話なので、実際にはこんなに簡単な図式にはならない。敵モンスターの守備力が高ければ、こちらの攻撃力の比率通りのダメージになりにくくなる。この計算はあくまでも1つの目安に、ということである。
 このゲームでの最強の武器・・・これは表向きには「王者の剣」ということになっているのだが、この隼の剣を考慮に入れるとその限りではない。自ら持つ「力」の数値次第で、隼の剣はどのようにも攻撃力を変えてくる。パラメータの上限、255までに力が高まっているのなら、もうこの剣の威力に比肩できるものはない。これは隼の剣を装備できる職業のキャラなら、誰にでも言えることだ。・・・最強の武器は、わざわざ牧場に潜り込んで原料を調達し、一定期間待ってから鍛冶屋に創ってもらうようなものではない。もちろん、勇者しか装備できないような伝説の武器でもない。普通の武器屋で、普通に商品として並べられているものなのである。

 

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